Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 562 caractères · 291 écrans
信頼しきっている平次の計画を邪魔したくはなかったのです。
そんな話をしているところへ、ちょうど打合せておいたガラッ八もやって来ました。
「親分、判ったよ」
「旦那の前で、何て口のききようをするんだ」
「ヘエ、――今晩は」
ガラッ八は敷居の外へペタリと坐りました。
「まアいい、どうした八五郎」
「それが変で、路地を出るとしばらく思案をしていましたが、思い定めると、竪大工町へ」
「森右門という浪人者の家へ入ったろう」
と平次。
「よく御存じで」
「それからどうした」
「どうもしません。森右門の家へ入るのを見届けて、ここまで飛んで来たんで」
「馬鹿野郎、その先が知りたかったんだ」
「それなら初めからそうと」
「まアいい。大方見当だけはついた。さア出かけよう」
平次がガラッ八を促して、八丁堀を出たのはもう真夜中近く、それから真っ直ぐに竪大工町へ行ってみましたが、浪人森右門の家は、厳重に閉って留守。大急ぎで町役人を叩き起し、家主立会いの上コジ開けて入ると、中は綺麗に空っぽで、ガラクタ道具が少々あるだけ、目ぼしい物はたった一品もありません。
「あッ、逃げられたッ」
ガラッ八が飛上がるのを抑えて、平次は思いのほか冷静に囁きました。