Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 179 caractères · 280 écrans
という話――
「近頃畳屋とすっかり昵懇になったようですから、いずれあの娘を、駒次郎へ押しつけるつもりでしょう。この節の武家は、そんな事をなんとも思っちゃおりませんよ。――それにあの畳屋は一丁目から御見附まで、表通りには、及ぶ者もない物持ですからね」
そっと、こんな立入ったことまで教えてくれました。
平次はその足ですぐ大里玄十郎の格子の外に立ちました。
「何? 銭形の平次が参った、ちょうどいい塩梅だ、こっちにも言いたいことがある」
一刀を提げて、上がり框にヌッと突っ立ったのは、青髯の跡凄まじい中年の浪人です。
「恐れ入りますが、ちょっとお嬢様に御目に掛りとうございますが」
慇懃な平次を尻目に見て、
「馬鹿奴ッ、手先御用聞に口をきくような娘は持たぬぞ――この家の二階から手裏剣を打って丈吉を殺した――などと言った奴があるそうだが、とんでもない野郎だ。十間以上離れたところから畳針を飛ばして、人の命をとるほどの腕があれば、浪人などはしていないぞ」
「恐れ入ります」
「恐れ入ったら帰れ帰れ、畳屋の職人を殺すほど怨みも理由もある拙者ではない。この上用事があるなら、せめて町方の役人を伴れて来い、馬鹿馬鹿しい」