Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 179 caractères · 280 écrans

Aozora Bunko

「皆死んだよ。城中の男女数百人を櫓に置いて自ら火をかけ、党類三十余人は誅せられて首を京師に送った――とある」

「その九戸の一族で今日まで生き残る者はございませんか」

「なにぶん昔の事だ。今生きていると皆百歳以上だろう、もっとも、その子孫はないとは申されぬが」

桜庭兵介は問わるるままに藩の歴史を語ります。

「外に、南部藩を怨む者はございませんか」

「ない、いや心当りがないと言った方がよかろう」

「大膳大夫様と御仲の悪いのは?」

「大きな声では申されぬが、津軽越中守様じゃ」

後に相馬大作の騒ぎを起した南部と津軽は、その頃からなんとなく犬猿の心持で睨み合って来たのです。

「恐れながら、御下屋敷の中、わけても御庭を拝見いたしとうございますが」

平次は妙な事を言い出しました。

「ならぬところだが、当家の迷惑を取除いてくれたその方のために、案内してとらせる、こう参れ」

桜庭兵介は気さくに立ち上がり、平次を伴れて、霜枯れの深い庭をあちら、こちらと案内してくれました。

*

その日の昼頃、精鋭をすぐった大捕物陣が、犇々と南部坂に取詰めました。采配を揮ったのは与力の笹野新三郎、夜は曲者を逃がす惧れがあるので、わざと林の中の捕物に真昼を選んだのは、銭形の平次の智恵だったのです。