Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 179 caractères · 280 écrans

Aozora Bunko

「倅玄蕃はそれを諫め、主君の御憤りに触れてお手討になりました。それも致し方はございませんが、こんどは次男内匠の嫁、これなる関に無体のことを申し、世にあるまじき御仕打が重なります。あまりの事に我慢なり兼ね、倅に勧めて主家を退転、明神裏に浪宅を構え、世の成行く様を見ておりましたところ――」

老女はここまで話すと、襲われたように、ゴクリと固唾を呑みます。

「御次男内匠様が二三日前から行方知れずになった――とこうおっしゃるのでしょう」

平次はもどかしそうに、八五郎から聴かされた筋を先潜りしました。

「左様でございます。元の御朋輩衆、川上源左衛門、治太夫御兄弟に誘われ、沖釣に行くと申して出たっきり戻りません」

「川上とやらいう方に、お訊ねになったことでしょうな」

「翌る日すぐ、西久保御屋敷まで参り、川上様にお目にかかり、根ほり葉ほり伺いましたところ、倅は腹痛がするから帰ると言って、船へも乗らずに、芝浜の船宿で別れたっきり、その後のことは何にも知らないという口上でございます」

「…………」

「釣に誘っておいて、どこへ連れ出したことやら――、川上様御兄弟は、殿の御覚えも目出たく、日頃は倅と口をきいた事もないような方でございます。