Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
「この香苞ですか」
「まあ、いい匂い。ねえ秀さん、これきっと沈香とか栴檀とかっていうものよ。あの方丈さまは、お生れは都で大きな糸屋の若旦那だったんですとさ。だから気がきいてるわね、こんなおみやげ一つにしてもさ」
「世間で報恩寺の裴如海……また海闍梨ともいわれているお方ですね」
「そんなむずかしい法名なんて、わたし呼ばないわ。ただ師兄さんて呼ぶのよ。だって、うちのお父っさんは、古いご門徒でしょ。だから如海兄さんが方丈さまの位置にすわるときなんかも、ずいぶんお世話したものだしさ」
こんな立話のまも、彼女はそわそわとのおくれ毛や唇紅の褪せを気にして、また、つと鏡の間へ入って、身粧いを見直し、それからやっと如海の前へ出て、婉然と、あいさつしていた。
「これは」
と、裴如海は、生き仏のようにすうと椅子を立ち、いんぎんに、頭をさげる。
福州みどりの法衣、紫印金のケサ、そのも西域唐草の凝ったもの。
――ことば少なに、あとは流し目で、
「いつも、おすこやかで」
と、ひとみに、えならぬ情気をトロと焚いてみせる。巧雲は、すぐ打解けて言った。
「いやよ師兄さん、そんなおかたいこと」