Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
「バカ野郎、てめえに叱言などをいっていられるものか。こんどだけは、かんべんしてやるから、これをしょって、早くあるけ」
と、今夜は八風斎の鼻かけ卜斎も、家にかえって落ちつくようすもなく、書斎をかきまわして、だいじな書類だけを、一包みにからげ、それを蛾次郎にしょわせて、夜逃げのように、立ちのいてしまった。
門をでると、いま泣いた烏の蛾次、もうけろりとして、
「親方、親方、こんな物をしょって、これからいったいどこへでかけるんですえ」
とききだした。
「戦ばかりで、この人無村では仕事ができないから、越前北ノ庄へ立ちかえるのだ」
「え、越前へ」
蛾次郎はおどろいた。
「いやだなア」
と、口にはださないが、肚のなかでは、渋々した。せっかく、菊池半助が、ああやって、徳川家で出世の蔓をさがしてくれたのに、越前なンて雪国へなんかいくなんて、なんとつまらないことだと、また泣きだしたくなった。
ちょうど、夜逃げのふたりが、人無村のはずれまできた時、――八風斎がふいにピタリと足をとめて、
「はてな? ……」
と、耳をそばだてた。
「な、なんです親方」
「だまっていろ……」
しばらく立ちすくんでいると、たちまち、ゆくての闇のなかから、とう、とう、とう――と地をひびかせてくる軍馬の蹄、おびただしい人の足音、行軍の貝の音、あッと思うまに、三、四百