Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans

Aozora Bunko

平次は油屋の兼吉を指さしたのです。

「ヘエ――」

老爺は返事に迷った様子でした。

「背の高さは?」

「かなり高い方でございました」

「天蓋や、着付や、尺八は?」

仇討の挿絵

「大概決りがございますから、よく似ております」

老爺の穏やかな調子のうちにも、兼吉は逃げ路を塞がれた心持でしょう。隈取った顔が真っ蒼に変るのを平次は見落しませんでした。

そこへ、ノッソリと現われたのは、四十年配の浪人者です。

「宗次郎殿が殺されたそうじゃないか、一体どうした事だ」

「ああ蔀の旦那、大、大変なことになりました」

虚無僧姿の兼吉は泣き出しそうです。

「貴殿は?」

同心樫谷三七郎は、横合からズイと出ました。二人にあまり物を言わせたくなかったのでしょう。

「蔀半四郎と申す。出雲屋の食客じゃ――」

半四郎は場所柄を考えたか、こう言いかけて、苦笑いの唇をつぐみました。

「出雲屋の主人が斬られたと、どこで聴かれた」

樫谷三七郎は追及します。

「遅れて夜桜見物に参ると、山中の大評判じゃ。巡礼姿の男が、虚無僧に斬られたと聞いたが――これ、油屋、その方が宗次郎を斬ったのか」

屹と兼吉を見据えます。磊落そうな調子ですが、なかなか油断のない面構えです。