Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
お前に迷惑を掛けぬぞ」
利助も口を添えました。曲者の身体へ、次第に手が届くような気持だったのです。
「父親、笹枝宗左衛門が役目の失策を仕出かしたのは、今から二十年も前、泉屋の隠居が盛んな頃、転宿や直差(札差いじめに、旗本や御家人の人の悪いのが用いた手段)を父上が旗本仲間に嗾したと思い込んで、少しばかりの落度を、支配の若年寄まで申出でたためで、笹枝一家は泉屋の隠居のために家禄を失いました」
「…………」
宗太郎は畳の上へ手を突いたまま、思いも寄らぬ事をこう話し出したのです。
「御当所鳥越へ来て、少しばかりの資本を運転し、どうやらこうやら身上が出来た頃、泉屋の隠居も昔のやり方を後悔して、父上に詫を容れ、また付き合って行くようになりましたが弟宗次の養子の話から、また仲違いをし、弟はそのために身を持崩して、こんな騒ぎを始めることになったのでございます」
「…………」
「不都合な弟には違いありませんが、兄の私から見れば、可哀想でもございます。どうぞたった一晩だけ名残を惜しませて下さい。明日になれば、因果を含めて、きっと名乗って出るように致させます」
「いや、それはなるまい」