Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
親父の顔で厭々ながら多勢の子分どもを預っておりますが、七十を過ぎた親父の源太郎に万一の事があれば、惜し気もなく縄張を人にやって、堅気の商売をするだろう――と世間では言っております。
「お早うございます。銭形の親分、妹のやつが、とんだことをお願いしたそうで」
落着いた陽気な調子は、妹の出過ぎた仕打に、腹を立てているように取れますが、本人は案外、平次の出馬に感謝しているのかもわかりません。
源助の女房のお冬は三十そこそこ、少し病身らしい、こんな稼業には似もつかぬ平凡な女です。
最後に顔を出したのは、お徳の姉で、お部屋様のお銀でした。
「…………」
平次はたった一と目で、唸ったほどのこれは好い縹緻です。寝起きらしい不活溌なところの微塵もない、爽やかな表情のうちにも、愛児を喪った悲痛な隈があって、たきばかりの美しさに、沁み出る自然の愛嬌も世の常ではありません。
こんなのは、人間の子の中でも、変り種の大傑作で、眼がどう、鼻がこうという種類の美人とは、全く質の異ったものです。妹のお徳は仇っぽい作為的な品で、ちょいと見は綺麗にも艶やかにも映りますが、こう並べると、玉に彫んだ女神と、泥焼のお狐様ほどの違いがあります。