Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
しばらく奉公人や子分を一人一人、虱潰しに当っておりましたが、やがて、
「お勘坊が捨てたようですよ」
誰やらがこう言うのを聴くと、いきなり、十六七の相模者らしい下女の襟髪を掴んで来ました。
「さア、言ってしまえ、菓子をどこへ隠した」
ガラッ八の馬鹿力が、容捨もなく汚な作りのお勘坊をさいなみます。
「痛いよ、何をするだよ」
「菓子をどこへやった、それを言え」
「坊っちゃんが中てられた菓子だって言うから、裏の埃溜へ捨ててしまっただよ。誰が喰っても悪かんべい」
「よしッ、一緒に来てみろ」
ガラッ八はお勘坊を引っ立てました。続く平次、何やら期待する様子で、ニヤリニヤリと笑っております。
「あッ」
「どこだ、そんなものは無いじゃないか」
「一つも無いよ、確かにここへ捨てたんだが――犬でも喰ったじゃないかね」
「馬鹿ッ、犬が菓子を喰うか、それも三つや四つじゃあるめえ」
「二三十あったよ」
これでは手の付けようがありません。
「お勘、――誰に頼まれて捨てた」
平次はズイと出ると、お勘坊の縞目の怪しい袷の肩に手を掛けました。
「…………」
見上げたお勘坊の白い眼、反抗と敵意が燃え上がっております。