Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans

Aozora Bunko

、寸分違わぬ物を持って来て、石川良右衛門の手で、それを御腰物方に納めたのは去年の秋です。

それが、本阿弥の鑑定で、偽と知れたのはツイ近頃、――その前に万一の時の事を五兵衛に相談すると、佩刀を盗まれた落度から偽物と掏り換えの罪は、みんな五兵衛が自分で引受けるから、五千両という大金を貸せという難題です。五兵衛はその金で傾く身上を持ち直し、倅友三郎、娘お糸の行末を安泰にした上、露見した時を最期に、自害して果てるという大変な条件を持出したのです。

五千両を三千五百両に負けさせ、その代り、五兵衛は貞宗紛失から偽物作りの罪を一身に引受けた、日付のない遺書を作って、金と引換えに石川良右衛門に渡したのは去年の暮のことでした。

「それからしばらく無事な日が続いた。が、年に一度の御道具調べがあって、とうとう偽物の露見する日が来てしまった。御腰物方からは厳重な談判だ。日ごろの勤め振りに免じて、今すぐ真物を返すなら、これほどの罪だが許してやるとまでおっしゃる。御腰物方御役人にしても、これが表沙汰になっては腹切り道具だ」

「…………」

石川良右衛門は、奇怪至極なことを語り進みます。