Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
「ああ酔った。――俺は眠いよ、ここで一と寝入りして帰るから、そっとしておいてくれ」
障子の上に半分のしかかったまま、平次は本当に眼をつぶるのです。
「親分、――さア、帰りましょう。寝たきゃ、家に帰ってからにしようじゃありませんか」
「なにを。女房の面を見ると、とたんに眼がさめる俺だ。お願いだから、ここで――」
「親分、お願いだから帰りましょう、さア」
ガラッ八は手を取って引起します。
「よし、それじゃ素直に帰る。手前これで、勘定を払ってくれ。言うまでもねえが、今日は元日だよ、八、勘定こっきりなんてみっともねえことをするな」
「心得てますよ、親分。――小判を一枚ずつもやりゃいいんでしょう」
「大きな事を言やがる」
ガラッ八は平次を宥めながら、財布から小粒を出して勘定をすませ、板前と小女に、機み過ぎない程度のお年玉をやりました。
「あ、親分、そんな事は、婢にやらせておけばいいのに――危ないなアどうも」
八五郎もハッとしました。平次は覚束ない足を踏締めて、自分の外した障子を一生懸命元の敷居へはめ込んでいるのです。
「放っておけ。俺が外した障子だ、俺が直すに何が危ないものか。