Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 725 caractères · 298 écrans
と平次。
「左様、これほどの水甕に入れて、色も匂いも味も変らず、ほんの少しばかり口へ入っただけで命に係わるという毒は私も聴いたこともない。これは多分、――南蛮筋のものでもあろうか――」
「ヘエ――」
「耳掻き一杯ほどの鴆毒でも、何百金を積まなければ手に入るものではない、――イヤ何百金積んでも手に入らないのが普通だ」
奎斎老の述懐は、ますます平次を驚かすばかりです。
「夜前にくみ込んだ水甕へ、それほどの毒を入れたのに、戸締りが少しも変っていないところをみると、これは外の者の仕事ではない。やはり家の中の者だろう。銭形の親分、今度こそは、遠慮せずに引っくくって下さいよ」
又左衛門は気を取り直して、一本腕の不自由さも、毒の苦しさも忘れてこんな事を言います。当てつけられているのは言うまでもなく嫁のお冬、これはまた不思議に丈夫でほんの少しばかりの血の道を起したといった顔色、舅にいやな事を言われながらも甲斐甲斐しく病人達を介抱しております。
平次はそれを尻目に、小半刻水甕に齧り付いて、調べておりましたが、
「この柄杓は新しいようだが、いつから使ってますか」
お冬を顧みてこう問いかけます。