Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 725 caractères · 298 écrans

Aozora Bunko

「お秋か、今頃何しに来た」

「大変よ、手が廻ったらしい」

「シッ」

中からコトリと桟を外すと、羽目板と見えたのは潜りの扉で、闇の中へ大きい口がポカリと開きます。

「どうしたんだ、話してみろ」

伏せていた龕灯を起すと、円い灯の中に、兄妹二人の顔が赤々と浮出します。蒼白い妹のお秋の顔に比べて、赤黒い兄の顔は、何という不思議な対照でしょう。

藍微塵の意気な袷を着ておりますが、身体も顔も泥だらけ、左の手に龕灯を提げ、右の手には一挺の斧を持っているのは一体何をしようというのでしょう。年の頃は三十二三、何となく一脈の物凄まじさのある男前。

「兄さん、あと一刻経たないうちに、ここへ役人が乗込んで来ます。捕方同心の一隊百人ばかり、八丁堀を出たという話――」

お秋の息ははずみ切っております。

「誰がそんな事を言った」

「銭形の平次」

「どこで」

「田代屋の奥で、旦那と話しているのを聴いて、夢中になって飛出して来ました」

「馬鹿ッ」

「…………」

「平次がそんな間抜けな事を、人に聴かれるように言うはずはない、お前があわてて飛出す後を跟けて、俺の巣を突きとめる計略だったんだ。何という間抜けだ」