Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans
グイと引戻す手に従って、お静の身体はドンと後ろへ――ハッと立直るところを、肩の上の曲者の手を取って、捻り加減に一本背負。
「わッ」
前の男の頭の上へ、後ろの男が叩き付けられたのです。
お静は橋の上にへた張る二人の曲者に目もくれず、東両国の医者、玄道の家の前まで来ましたが、戸口に据えてあるはずの駕籠がないのを見ると、サッと向島に飛びました。
予て見定めておいたものか、一気に小梅の大川屋の寮へ。
裏へ廻って、隠し木戸の上を簡単に乗越したお静、それがお静に化けた銭形平次であることは言うまでもありません。物置へ行って、戸を開けようとして驚きました。
「おや?」
閉っているはずの戸が開いて、中に居るはずのお品が見えなかったのです。
その時、どっと起ったのは、ガラッ八を見失った女どもの声。お静に化けた平次は、あわてて物の蔭に身を潜めました。
「…………」
何やら、縁の下から首を出す者があります。
「八か」
「親分」
二人が互に見定めたのは、長い間に鍛錬された勘だったでしょう。
「叔母さんは?」
「助け出しましたよ、その駕籠の中で」
「そいつはいい塩梅だ、――お品さんを見なかったか」