Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans
「大層な勢いだな――少し調べることがあって来たよ、起きて貰おうか」
「ヘエ――」
目ざとく十手の突っ張った懐中を見ると、丑松は弾き上げられたように飛起きました。上役人だけは、極度に恐れるように習慣づけられた人種だったのです。
「紛失物があったそうじゃないか、どこにその金が置いてあったんだ」
ガラッ八は精一杯の威儀を作りました。
「ヘエ、恐れ入ります、――御苦労様で、ヘエ」
「そんな事はどうでもいい、俺の言うことに返事だけしてくれ」
「ヘエ、相済みません。――金は三百両、瓶に入れて封をして、お勝手の落しの中に置きました」
「奪られたのは」
「三日の間でございます。三日前にお秋が持って来た五両一分二朱と六十八文のうち、二朱と六十八文は当座の小遣に取除け、五両一分を足して、ちょうど三百両と一分になったのを、封印をして落しに入れたまま、あっしは木更津へ参りました」
「何の用事で行ったんだ?」
「儲け口でございますよ、親分さん、――が、当てごとは向うから外れて、ボンヤリ帰って来たのは昨夜、ここで三百両を三つに分けるつもりで瓶の蓋を開けると、中は空っぽじゃありませんか」
「…………」