Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans
「野郎、待ちやがれ」
先棒は漸く起き上がりましたが、向う脛を強かにやられて、急には動けません。前後の四挺の駕籠は、このとき漸く下ろされて、八人の若い者が、
「何をしやがる」
息杖を振りかぶって、八方から花嫁の駕籠を追い駆けました。幸い路地は三尺の抜け裏で、駕籠は容易に通りません。花嫁の駕籠は少し斜めに、その口を塞いだまま放り出されたところへ、十人の威勢のいいのが、十本の息杖を振りかぶって、すかさず追いすがったのでした。
別に町駕籠を仕立てて、花嫁の行列のすぐ後に続いたガラッ八は、この騒ぎを見ると転がるように降り立ちました。
「とうとう出やがったか、逃すな」
それでも商売柄、一番先に路地の口に飛付きました。が、花嫁の駕籠が入口を塞いで急には曲者の後を追うことも出来ません。
「えッ、面倒臭え」
駕籠を飛越して路地の闇に入ると、鼻の先に通せん坊をしたのは恐ろしく岩乗な木戸。
「やい、ここを開けろ」
押しても叩いてもビクともすることではありません。
そのうちに、四挺の駕籠から飛降りた仲人夫婦やら付添いの者、これは一番先に花嫁の安否ということが頭へ響きます。
飛付くように駕籠の垂を押上げて、