Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans

Aozora Bunko

もっとも、この辺一帯、聖堂の前から元町へかけては、恐ろしく淋しいところ、明治になってからでさえ、松平某の皮剥事件があったくらいですから、旧幕時代は追剥と辻斬りの本場といってもいいところだったのです。

臆病者の勇吉が、そこへスタスタと入って行ったのですから、笹野新三郎も少し面喰らいました。

しかし、一子新太郎の生死にも拘わる場合、贅沢を言っている時ではありません。勇吉の後について、黙って行くと、三軒ある断崖の上の茶店の一番奥、久しい前から立ち腐れになっている家の表戸を開けて、

「ここでございますよ、旦那」

勇吉は案内顔に入っていきます。

「ここに新太郎が居るというのか」

「確かにここに相違ありません。灯を用意して来ますから、ちょいとお待ち下さい」

新三郎を中に誘い入れて、勇吉はそのまま外へ出てしまいました。

しばらく待ったが帰って来ません。なにぶんひどい闇で一寸先も判りませんが、床板一枚の下は、数丈の絶崖ということだけは、遥かに聞える水音で判ります。

「ハテ」

新三郎は立上がりました。愚直な勇吉を信じ切ってはいますが、何となく不安な心持になったのでしょう。