Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans

Aozora Bunko

正直者の八五郎のために、平次はそんな事まで真剣に心配してやるのでした。

「どこだっていいじゃありませんか」

「よかアないよ、まさか筋の悪い金を身につける八とは思わねえが、あとで困るほどの工面をさしちゃ、菓子も酒も喉を通らねえ、白状してしまいな」

平次の調子がシンミリしてくると、ガラッ八はツイ涙ぐましい心持になるのです。

「そんな金じゃありませんよ、親分、向柳原の叔母が、――天霊様の御本山にお詣りをするついでに、西国を一と廻りして来るから、二度と江戸へ帰るか帰らないか判らない。長年溜めた少しばかりの金は、みんな天霊様に納めるが、これは、たった一人の甥への形見だから、心持よく取ってくれと、器用にくれたのが五両、親分の前だが、五両と纏まった金を持ったのは、生れて始めてで――」

「それは本当か、八」

話半分に聞いて、病人の平次はガバと床の上にハネ起きました。

「あれ、お前さん、そんな事をしちゃ、風邪が悪くなるじゃありませんか」

女房のお静は、お勝手から驚いて飛んで来ると、平次の身体を無理に床の中に押込むのでした。

「本当も嘘もありゃしません。費い残りがまだ四両と少し、こいつで何をしようかと、昨日から考えているところで」