Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 562 caractères · 291 écrans
そう言いながらも、一脈の不安があったものか、平次はその足で、三崎町の町役人、大家を兼ねた、重左衛門のところへ行きました。
「いらっしゃい。――これは、銭形の親分」
六十を越した重左衛門は、世馴れた物わかりのよい親仁です。
「佐七は手錠で町内預けになっているそうだが、鍵は町役人のお前さんが預かっているでしょうね」
平次はいつもに似ぬ厳しい調子でした。
「へえ、この通りで」
重左衛門は大巾着から、鉄の鍵を出して見せました。
「いや、とんだお邪魔をしました」
「どうなすったんで、銭形の親分」
「なアに、何でもないんで、――御存じの桶屋のお民を殺したのは、佐七でなきゃアお染、お染でなきゃア佐七と判ったんで。――佐七の手錠に間違いないとすると可哀想だが、あの娘を縛らなきゃアなりません。町役人のお前さんも立ち会って下さい」
「えッ、お染が下手人? そんな事があるものですか。ちょっと、ちょっと待って下さい」
重左衛門は泡を喰って飛出そうとします。
「どっこい、出られちゃ困る。お前さん、佐七のところへ行って教える積りだろうが、そんな事をして大事の下手人を逃がしゃ、お前さんの首へ縄がつきますよ」