Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 562 caractères · 291 écrans
ちょいと行ってみてやっておくんなさい」
「馬鹿だな。お前は。三日も帰らなきゃア騒ぐのももっともだが、夕方から見えなくなったのなら、まだ一と刻とも経っちゃいめえ。今頃は雪隠から出て手を洗っているよ、行ってみな」
平次は相手にもしませんが、どうしたことか、ガラッ八は妙に絡み付いて動きません。
「ところが、町内中の雪隠も押入もみんな探したんだ」
「何だってそんな大袈裟なことをするんだ」
「だから大変なんだ、親分、お春坊は二日ばかり前から、――祭の済むまでには、私はキッと殺されるだろう――って言っていたんだそうだ」
「えッ」
「そればかりじゃねえ、日が暮れて間もなく、誰か男の人がお春の厭がるのを無理に引っ張って、聖堂裏の森ん中へ入ったのを見た者があるんだ」
「誰が見たんだい」
「困ったことに町内の樽御輿を担いでいる小若連中の一人だが、お祭へ夢中になっているから、その男の人相を突き止めなかった。お揃いを着て、手拭で頬冠りをしていたことだけは確かだが――」
「よし、行ってみよう。お春坊は無事平穏に生きながらえるにしちゃ少し綺麗過ぎらア、こいつはなるほど、臭い事があるかも知れないよ」