Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 179 caractères · 280 écrans
ガラッ八が袂の中の捕縄を爪探っていると、ちょうど、石原の利助がやって来てくれました。近頃はすっかり角を折って、平次は勿論、ガラッ八にも厭な顔を見せない利助は、一伍一什の様子を聞くと、一も二もなくガラッ八の意見に賛成してしまいました。
「そいつは、考えることも、迷うこともあるものか、お村とかいう女を縛って、ともかく八丁堀の旦那に引っ叩いて貰うんだ」
その場を去らせず、こうしてお村は縛られてしまったのです。
しかし、これが大変な間違いだったことは、三日も経たないうちに解りました。お村はどんなに責められても、お松を殺したとは言わないばかりでなく、考えれば考えるほど、事件があやしくなってきたのです。
第一お村の持っていた短刀は、切れそうには見えるが刃引きで、女の手で人間一人殺せるほどの業をしそうにもなく、お松の傷は、胸から腹へかけて、真一文字に割かれたもので、刃引きの短刀や、女の手などでは、とてもそんなに斬れる道理はありません。
第二が、お松とお村が水中に争う型にはなりましたが、それは振付のある極った形で、なんの無理も不思議もなく、お松が斬られたのはお村の方が上へ浮いている時で、お松の腹の方へ手が届くはずもありません。