Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 179 caractères · 280 écrans
をしたまま、下手人の探索を続けているのでした。
勘次郎は二十三になったばかり、日本橋業平と言われた好い男で、ずいぶん罪も作った様子ですが、一年前に遠縁のお清を嫁に貰ってから、これが思いの外の気性者で、巧みに勘次郎の浮気を封じ、大した噂もなく過しておりました。
「近頃は女出入りでは人に怨まれるような筋はございません。――そこで仙太親分は、若旦那と一緒に育って、お清さんに思いを掛けたことのある私が、怪しいと、睨みなすったわけで――」
与母吉は泣き出しそうでした。
「それは、どんな御用聞でも考える筋だ、――ところで、お前さんは今嫁のお清さんを何とも思っちゃいないのか」
平次は要領の捜りを一本入れました。
「思わないわけじゃございませんが、主人の嫁ではどうにもなりません。お清さんが行儀見習で、相模屋に三年も居たんですから、昔思いを掛けたのが怪しいと言えば、店中潔白なのは一人もありません」
「なるほどな」
「もっとも、三ヶ日は休みも同様で、昨夜店に居たのは私と小僧の寅松と二人きり、納屋の方には人足が二三人居たようですが、これは棟が違いますから、裏からこっそり入って、若旦那を殺してそっと帰るわけには参りません」