Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 179 caractères · 280 écrans
「親分、真気になって捜してやっておくんなさいまし。あの黄金仏がなくなりゃア、本山は申すに及ばず、檀家中へ申訳がないから、傘一本で寺を明け渡さなきゃアなるまいと、住職は萎れ返っておりますぜ――親分」
「わかったよ、それより、どんな者がこの寺へ出入りするか、いちいち見張っていな」
「ヘエ――?」
「風太郎の仕業なら返すに極っている。どんな人間が持って来るか、俺はそれが知りてえ」
「なア――る、親分は親分だけの勘考だ、返しに来た野郎が取りも直さず盗んだ野郎って事になりますね」
「まアね」
「ようし、こうなりゃ蟻の行列だって、見のがすこっちゃねえ」
ガラッ八は二つの眼玉を剥いて見張りましたが、さて不審と思うような人間は一人も出入りしません。
無事に一日を過して、念のためにその辺中を探してみると、本堂の賽銭箱の側に、紙に包んだお捻りが一つありました。何の気もなく開けてみると、その中から現れたのは、金色燦爛たる三寸二分の胎内仏――大日如来です。
「あッ」
「いつの間に持って来やがったんだ」
さすが銭形の平次も驚き呆れるばかり、朝から多勢来た参詣の男女のうち、どれが怪盗風太郎なのか、全くもって見当も付きません。