Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 179 caractères · 280 écrans

Aozora Bunko

朴訥な調子で語りおわると、石津右門はホッと溜息を吐きます。鬼の霍乱が萎れ返った様子は、物の哀れを通り越して可笑しくなるくらい。

「平次殿、一藩の危急、枉げて乗出して貰いたい」

大垣伊右衛門も畳に手を落しました。

「なるほど、承れば何百人何千人の難儀にもなる大事。いかにも、私で出来るだけの事はしてみましょうが――」

「それは辱けない」

「大垣様のところへ投り込んだという手紙と、偽の絵図面を拝見出来ませんか」

「これじゃ、幸い用意して参ったが」

取出したのは、畳紙に入れた畳二枚ほどの大絵図面が三枚と、半紙一枚に書いた結び文が一通、平次はそれをくり拡げて、しばらくは眺め入りました。

「結び文はずいぶん下手な手蹟だが――いずれ文字などには馴れない者の仕業であろうな」

と差し覗く石津右門。

「これは釣筆でございますよ、旦那」

「釣筆?」

「筆蹟を隠すために、天井から糸で筆を釣って書くと、このようなフラフラした字になります」

「なるほど」

石津右門と大垣伊右衛門は、まず出発点から、平次に感服してしまいました。

「この偽の絵図面には棟梁柏木藤兵衛とありますね」

「左様、――それから、弟子、良助、太吉と書き添えてある」