Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 179 caractères · 280 écrans
ガラッ八が驚いたのも無理はありません。葛籠の底から出た小判は、ざっと五六十枚、燦然たる真新しい山吹色が、部屋一パイに咲きこぼれます。
(太吉がこんな大金を持っているはずはない)
平次の頭脳は急速に旋回を始めました。
お城大工の弟子が、どんなに堅い人間であったにしても、十両と溜めているはずはありません。続いて浮ぶ考えは、
(誰か太吉へ金をやった者があるに違いない)
ということでした。
(どうかしたら、絵図面を売った金かも知れない)
しかし、売るためには絵図面を手に入れなければなりませんが、あの朝、太吉は良助達と一緒に仕事場に居たことは明らかで、どう考えても、藤兵衛やお勇の眼を盗んで、絵図面を手に入れる工夫はなかったはずです。
(では、強請って取った金ではないか)
ここまで考えると平次は、
「八、死んだ藤兵衛が、絵図面がなくなってから死ぬまで三日の間、外へ出たことがないか、誰か藤兵衛を訪ねて来た人はないか、手紙か何か、使い屋に頼まなかったか、それだけのことを訊いて来てくれ」
「ヘエ――」
「出来るだけ詳しい方がいい。奉公人達一人残らず当ってみることだよ」
「ヘエ――」