Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
小さな豹か虎かを見て居る様で、凄い。蜥蜴の体は最早トラの胃の中にあるに、切れて落ちた鋼鉄色の尾の一片は、小さな一疋の虫かなんぞの様にぐるっと巻いたりほどけたりして居る。トラめは其れも鵜呑にして了うた。蜥蜴のカタミは何も無い。日は相変らず昭々と照らして居る。地球は平気で駛って居る。木の葉一つソヨがぬ。トラは蜥蜴を食ってしまって、世にも無邪気な顔をして、眼を閉じて眠って了うた。
昨日は庭で青白い螟蛉を褐色のフウ虫二疋で螫し殺して吸うて居るのを見た。
一昨日は畑を歩いて、苦しい蛙の鳴き声を聞いた。ドウしても蛇にかゝった蛙の鳴き声と思って見まわすと、果然二尺ばかりの山かゞしが小さな蛙の足を啣えて居る。余は土塊を投げつけた。山かゞしは蛇の中でも精悍なやつである。蛙の腿を啣えながら鎌首をたてゝ逃げて行く。竹ぎれを取って戻ると、玉蜀黍の畑に見えなくなった了うた。
優勝劣敗は天理である。弱肉強食は自然である。宇宙は生命のとりやりである。然し強いものゝ上に尚強いものがあり、弱いものゝ下に尚弱いものがある。而して一番弱いものが一番強いものに勝つ場合もある。顕微鏡下に辛うじて見得る一細菌が、神の子だイヤ神だと傲る人間を容易に殺して了うではないか。