Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate

Aozora Bunko

三

「幸さん一つ」と誰やらが茶碗をさす。

「酒どころかよ、兄貴が死んだンだ、本当に」と来た時から已に真赤な顔して居た辰爺さん――勘さんの弟――が怒鳴る。皆がドッと笑う。

「兄貴が死んだンだ、本当に、酒どころかよ」と辰爺さんは呟く様に繰りかえす。

皆好い顔になって立上った。村中で唯一人のチョン髷の持主、彼に対してはいつも御先生と挨拶する佐平爺さんは、荒蓆の上にころり横になって、肱枕をしたが、風がソヨ/\吹くので直ぐ快い気もちに眠ってしまったと見え、其腫れぼったい瞼はヒタと押かぶさって、浅葱縞の単衣の脇がすう/\息つく毎に高くなり低くなりして居る。

三

母屋の方では、頻に人が出たり入ったりして居る。白襦袢、白の半股引、紺の腹掛、手拭を腰にさげた跣足の若い衆は、忙しそうに高張の白提灯の仕度をしたり、青竹のもとを鉈で削いだりして居る。

二人挽の車が泥塗になって、入って来た。車から下りた銀杏返の若い女は、鼠色のコオトをぬいで、草色の薄物で縁に上り、出て来た年増の女と挨拶して居る。

「井は何処ですかな」

抓んだ手拭で額の汗を拭き/\、真赤になった白襦袢の車夫の一人が、柿の木の下の群に来て尋ねる。