Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
次郎桜
翁の歌に、
遠く見て雲か山かと思ひしに
帰ればおのが住居なりけり
遮莫永い年月の行路難、遮莫末期十字架の苦、翁は一切を終えて故郷に帰ったのである。
次郎桜
朝、珍らしく角田の新五郎さんが来た。何事か知らぬが、もうこゝでと云うのを無理やりに座敷に請じた。新五郎さんは耶蘇信者で、まことに善良な人であるが、至って口の重い人で、疎遠の挨拶にややしばし時間を移した。それから新五郎さんは重い口を開いて、
「実は――隣の勘五郎さんでございますが、其の――勘五郎さん処の次郎さんが亡くなられまして――」
「エッ、次郎さんが? 次郎さんが死んだんですか」
青山学院で最早試験前の忙しくして居るであろうと思った次郎少年が死んだとは、嘘の様な話だ。
新五郎さんは、持て来た医師の診断書を見せた。急性肺炎とある。急報に接して飛んで往った次郎さんの阿爺も、間に合わなかったそうである。夜にかけて釣台にのせて連れて来て、組合中の都合で今日葬式をすると云うのである。
新五郎さんは直ぐ帰り、夫婦も直ぐあとから出かけた。
次郎さんは、千歳村で唯五軒の耶蘇信者の其一軒に生れて、名の如く次男であった。