Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
四
彼が家のトラはよく寝鳥を捕ってはむしゃ/\喰うが、蛇をまだ一度もとらぬ。ある時、トラが何ものかと相対し貌に、芝生に座って居るので、覗いて見たら、トグロを巻いた地もぐりが頭をちゞめて寄らば撃たんと眼を怒らして居る。トラが居ずまいを直すたびに、蛇は其頭をトラの方へ向け直す。トラは相関せざるものゝ様に、キチンと前足を揃えて、何か他の事を案じ顔である。彼が打殺す可く竿をとりに往った間に、トラも蛇も物別れになって何処かへ往ってしもうた。
四
斯く蛇に近くなっても、まだ嫌悪の情は除れぬ。百花の園にも、一疋の蛇が居れば、最早園其ものが嫌になる。ある時、書斎の縁の柱の下に、一疋の蛇がにょろ/\頭を擡げて、上ろうか、と思う様子をして居た。遽てゝ蛇打捧を取りに往った間に、蛇が見えなくなった。びく/\もので、戸袋の中や、室内のデスクの下、ソファの下、はては額の裏まで探がした。居ない。居ないが、何処かに隠れて居る様で、安心が出来ぬ。枕を高くして昼寝も出来ぬ。其日一日は終に不安の中に暮らした。蛇を見ると、彼が生活の愉快がすうと泡の様に消える。彼は何より菓物が好きで、南洋に住みたいが、唯蛇が多いので其気にもなれぬ。