Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
紫雲英
電車が通る。自動車が走る。号外が飛ぶ。何かは知らず滅多無性に忙しそうだ。斯様な渦の中に捲き込まれると、杢兵衛太五作も足の下が妙にこそばゆくなって、宛無しの電話でもかけ、要もないに電車に飛び乗りでもせねば済まぬ気になる。ゆっくりした田舎の時間空間の中に住み慣れては、東京好しといえど、久恋の住家では無い。だから皆帰りには欣々として帰って来る。
田舎では、豊かな生計の家でも、女を東京に奉公に出す。女の奉公と、男の兵役とは、村の両遊学である。勿論弊害もあるが、軍隊に出た男は概して話せる男になって帰って来る。いさちゃんのお婿さんなども、日露戦争にも出て、何処やら垢ぬけのした在郷軍人である。奉公に出た女にも、東京に嫁入る者もあるが、田舎に帰って嫁ぐ者が多い。何を云うても田舎は豊かである。田舎に生れた者が田舎を恋うばかりでなく、都に生れた者でも田舎に育てば矢張田舎が恋しくなる。
いさちゃんも好い生涯を与えられた。
(明治四十五年)
紫雲英
午後の散歩に一家打連れて八幡山、北沢間の田圃に往った。紫雲英の花盛りである。
此処は西欝々とした杉山と、東若々とした雑木山の緑に囲まれた田圃で、遙北手に甲州街道が見えるが、豆人寸馬遠く人生行路の図を見る様で、却てあたりの静けさを添える。