Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
五月五日
余等が結婚十九年の記念日。例によって赤の飯、若芽の味噌汁。
朝飯すまして一家買物に東京行。東京には招魂祭、府中には大国魂神社の祭礼があるので、甲州街道も東へ往ったり西へ来たり人通りが賑やかだ。新宿、九段、上野、青山と廻って、帰途に就いたのが、午後四時過ぎ。東京は賑やかで面白い。賑やかで面白い東京から帰って来ると、田舎も中々悪くない。西日に光る若葉の村々には、赭い鯉が緑の中からふわりと浮いて居る。麦の穂は一面白金色に光り、蛙鳴く田は紫雲英の紅を敷き、短冊形の苗代には最早嫩緑の針がぽつ/\芽ぐんで居る。夕雲雀が鳴く。日の入る甲州の山の方から塵のまじらぬ風がソヨ/\顔を吹く。府中の方から大国魂神社の大太鼓がドン/\と遙に響いて来る。
帰宅したのが六時過ぎ。正面に見て眩しくない大きな黄銅色の日輪が、今しも橋場の杉木立に沈みかけた所である。
本当に日が永い。
留守に隣から今年も餅をもらった。
留守に今一つの出来事があった。橋本のいさちゃんが、浜田の婆さんに連れられ、高島田、紋付、真白に塗って、婚礼の挨拶に来たそうだ。美しゅうござんした、と婢が云う。
いさちゃんは此辺でのハイカラ娘である。