Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate

Aozora Bunko

惨ましく然も偉大なる死! 先生の死は、先生が最後の勝利でした。夫人、あなたは負けました。だからあなたの煩悶も、御家の沸騰も起きたのです。但今は斯く思うものゝ、其当時私は思いました、先生は先生としても、何故あなたも令息令嬢達も黙って哀しんで居られることが出来なかったのでしょう乎。何故の彼諍論? 何故の彼喧嘩? 無論先生の出奔と死は、云わば爆裂弾を投げたもので、あとの騒ぎが大きいのが自然であるし、また必要でもあるし、石が大きければ水煙も夥しいと云った様なもので、傍眼には醜態百出トルストイ家の乱脈と見えても、あなたの卒直一剋な御性質から云っても、令息令嬢達の腹蔵なき性質から云っても、世界の目の前にある家の立場から云っても、云うべき事は云わねばならず、弁難論諍も致方はもとよりありますまい。苟且の平和より真面目の争はまだ優です。但私は先生の彼惨ましい死を余儀なくした其事情を思うに忍びず、また先生の墓上涙未だ乾かざるに家族の方々が斯く喧嘩さるゝを見るに忍びなかったのであります。然し我々は人間です。人間として衝突は自然の約束であります。先生もよく/\思い込まるればこそ、彼死様をされた。