Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate

Aozora Bunko

つい今しがたまで雨を恋しがって居た乾き切った真夏の喘ぎは何処へ往ったか。唯十分か十五分の中に、大地は恐ろしい雨雲の下に閉じこめられて、冷たい黯い冥府になった。

雲の運動は秒一秒劇しくなった。南を指して流るゝ雲、渦まく雲、真黒に屯って動かぬ雲、雲の中から生るゝ雲、雲を摩って移り行く雲、淡くなり、濃くなり、淡くなり、北から東へ、東から西へ、北から西へ、西から南へ、逆流して南から東へ、世界中の煙突と云う煙突をこゝに集めて煤煙の限りなく涌く様に、眼を驚かす雲の大行軍、音響を聞かぬが不思議である。

彼等は驚異の眼を※(「目+登」、第3水準1-88-91)って、此活動する雲の下に魅せられた様に彳んだ。冷たい風がすうっすうっと顔に当る。後れ馳せに雷がそろ/\鳴り出した。北の方で、条をなさぬ紅や紫の電光が時々ぱっぱっと天の半壁を輝して閃めく。近づく雷雨を感じつゝ、彼等は猶頭上の雲から眼を離し得なかった。薄汚い煤煙色をした満天の雲はます/\南に流れる、水の様に、霧の様に、煙の様に。空は皆動いて居る。濶い空の何の一寸四方として動いて居ないのはない。皆恐ろしい勢を以て動いて居る。