Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate

Aozora Bunko

と関翁の歌うた其キトウスの山は、彼奥にあるのだ。而して関翁の夢魂常に遊ぶキトウス山の西、石狩岳十勝岳の東、北海道の真中に当る方数十里の大無人境は、其奥の奥にあるのだ。翁の迦南は其処にある。創業から創業に移る理想家の翁にとって、汽車が開通した※別なんぞは最早久恋の地では無い。其身斗満の下流に住みながら、翁の雄心はとくの昔キトウスの山を西に越えて、開闢以来人間を知らぬ原始的大寂寞境の征服に駛せて居る。共に眺めんキトウスの月、翁は久しくキトウスの月を共に眺むる人を求めて居る。若い者さえ見ると、胸中の秘をほのめかす。此日放牧場の西端に立って遙に斗満上流の山谷を望んだ時、余は翁が心絃の震えを切ないほど吾心に感じた。

鉄線を潜って放牧場を出て、谷に下りた。関牧場はこれから北へ寄るので、此れからニオトマムまでは牧場外を通るのである。善良な顔をした四十余の男と、十四五の男児と各裸馬に乗って来た。関翁が声をかける。路作りかた/″\※別まで買物に行くと云う。三年前入込んだ炭焼をする人そうな。やがて小さな流れに沿う熊笹葺きの家に来た。炭焼君の家である。白樺の皮を壁にした殖民地式の小屋だが、内は可なり濶くて、畳を敷き、奥に箪笥柳行李など列べてある。