Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
四
病床独吟
憂き事の年をかさねて八十三とせ
尽きざる罪になほ悩みつゝ
死後希望
身は消えて心はうつるキトウスと
十勝石狩両たけのかひ
翁の絶筆であった。
四
翁が晩年の十字架は、家庭に於ける父子意見の衝突であった。父は二宮流に与えんと欲し、子は米国風に富まんことを欲した。其為関家の諍は、北海道中の評判となり、色々の風説をすら惹起した。翁は其為に心身の精力を消磨した。然し翁は自ら信ずること篤く、子を愛すること深く、神明に祈り、死を決して其子を度す可く努めた。
最後の手紙を受取ってから四ヶ月過ぎた。武蔵野の家族が斗満を訪れた其二周年が来た。雁は二たび武蔵野の空に来鳴いた。此四ヶ月の間には、明治天皇の崩御、乃木翁の自刃、など強い印象を人に与うる事実が相ついだ。北の病翁に如何に響いたであろうか、と気にかゝらぬではなかったが、推移って居る内に、突然翁の訃報が来た。
翁は十月十五日、八十三歳の生涯を斗満なる其子の家に終えたのである。翁の臨終には、形に於て乃木翁に近く、精神に於てトルストイ翁に近く、而して何れにもない苦しみがあった。然し今は詳に説く可き場合でない。