Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
六
七
六
八月二日。
紅蜀葵の花が咲いた。
甲州玉蜀黍をもぎ、煮たり焼いたりして食う。世の中に斯様なうまいものがあるかと思う。田園生活も此では中々やめられぬ。
今日は土用中ながら薄寒い日であった。朝は六十二三度しかなかった。尽日北の風が吹いて、時々冷たい繊い雨がほと/\落ちて、見ゆる限りの青葉が白い裏をかえして南に靡き、寂しいうら哀しい日であった。
今日は鶏小屋にほゞ鼬と見まごうばかりの大鼠が居た。
七
八月八日。
八月に入って四五日、フランネルを着る様な日が続いた。小雨が降る。雲がかぶさる。北から冷たい風が吹く。例年九月に鳴く百舌鳥が無暗に鳴いたりした。薄い掻巻一つでは足らず、毛布を出す夜もあった。
今日は久し振りに晴れた。空には一片の雲なく、日は晶々として美しく照りながら、寒暖計は八十二三度を越えず、涼しい南風が朝から晩まで水の流るゝ様に小止なく吹いた。颯々と鳴る庭の松。かさ/\と鳴る畑の玉蜀黍。ざわ/\と鳴る田川の畔の青萱。見れば、眼に入る緑は皆動いて居る。庭の桔梗の紫揺き、雁来紅の葉の紅戦ぎ、撫子の淡紅靡き、向日葵の黄頷き、夏萩の臙脂乱れ、蝉の声、虫の音も風につれて震えた。