Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
縁は異なもので、ゴルドン伝を書いた翌々年「寄生木」の主人公から突然「寄生木」著作の事を委托された。恩人たる乃木将軍の為めにと云う彼の辞であった。余は例に無く乗地になって引受けた。結果が小説寄生木である。
小説寄生木は、該書の巻頭にも断って置いた通り、主人公にして原著者なる「篠原良平」の小笠原善平が「寄生木」で、厳密なる意味に於て余の「寄生木」では無い。寄生木の大木将軍夫妻は、篠原良平の大木将軍夫妻で、余の乃木大将夫妻では無い。余は厳に原文に拠って、如何なる場合にも寸毫も余の粉飾塗抹を加えなかった。そこで、寄生木は、南部の山中から駈け出した十六歳の少年が仙台で将軍の応接間の椅子に先ず腰かけて「馬鹿ッ!」と大喝されてから、二十八歳の休職士官が失意失恋故山に悶死するまで、其単純な眼に映じた第一印象の実録である。固より将軍夫妻は良平の恩人である為に、温かい感謝の膜を隔てゝ見たところもある。然し彼は徹頭徹尾単純にして偽ることを得為ぬ男で、且如何なる場合にも見且感ずるを得る自然の芸術家であったことを忘れてはならぬ。余は寄生木によって、乃木大将夫妻をヨリ近く識り得た。