Classici giapponesi con furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Leggi みみずのたはこと (みみずのたわこと) di 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 265.437 caratteri · 530 schermate
月見草
雨は止んだが、東北の空ではまだ時々ぱッ/\と稲妻が火花を散らして居る。
家へ六七丁の辺まで辿り着くと、白いものが立って居る。それは妻であった。家をあけ、犬を連れて、迎に出て居るのであった。あまり晩いので屹度先刻の雷におうたれなすったと思いました、と云う。
*
翌々日の新聞は、彼が其日行った玉川の少し下流で、雷が小舟に落ち、舳に居た男はうたれて即死、而して艫に居た男は無事だった、と云う事を報じた。
「一人はとられ、一人は残さるべし」の句がまた彼の頭に浮んだ。
月見草
村の人になった年、玉川の磧からぬいて来た一本の月見草が、今はぬいて捨てる程に殖えた。此頃は十数株、少くも七八十輪宵毎に咲いて、黄昏の庭に月が落ちたかと疑われる。
月見草は人好きのする花では無い。殊に日間は昨夜の花が赭く凋萎たれて、如何にも思切りわるくだらりと幹に付いた態は、見られたものではない。然し墨染の夕に咲いて、尼の様に冷たく澄んだ色の黄、其香も幽に冷たくて、夏の夕にふさわしい。花弁の一つずつほぐれてぱっと開く音も聴くに面白い。独物思うそゞろあるきの黄昏に、唯一つ黙って咲いて居る此花と、はからず眼を見合わす時、誰か心跳らずに居られようぞ。