Classici giapponesi con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
兄上は、御存知ないから」
「ばかっ、ばかっ。知らないのは、おまえ達だ。あの河原地はな、父上が生きていた頃、毎年毎年の出水を、やっと、堰止めして、それこそ、十年がかりで、麦でも作れるような土地にしたのだ。――おれは、小さい頃、それを見て、覚えている。父上や家人や、たくさんな召使の、血と汗とで、土らしい物になった畑地なのだ。――それを、父の後継ぎのおれが刈入れるのに、何の、ふしぎがある」
将門は、弟たちの耳に聞かすには、必要以上の大声で、そうわめいた。どうしても、いちどは、天へむかって、わめきたがっていたような声だった。
「それっ、お館に、ついて行け。相手は、大勢だ」
奴僕も、郎党も、得物をもって、彼の駈け出したあとにつづいた。しかし、毛野川べりの、長い畑には、どこを眺めても、すでに、相手の影は、見えなかった。
ただ、そこに、制札が立っていた。見ると、こう書いてあった。
河原地、西南、二十七町、総テ、筑波水守ノ住、平良正ガ所領ノ一地タリ。盗ミ鎌ヲ入ルル者、見付ケ次第、訴人アルベキコト。
良正家人 景久
「笑わすな。盗人の高札とは」
将門は、それを、蹴仆した。