Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

おんな貢物

つまり利用価値なのだ。けれど彼は賢明な打算家ではなく、いわば一種の狂児である。飲むと、その狂児の眸は、虹を発し、いつも、詩を歌うような語調になる。

じつをいうと、不死人の心のうちに、まだ不安があった。

その“叡山の約”なるものを、将門の方では、てんから問題にしていないのだ。いつかも、口に出してみたことがあったが、ほとんど、忘れたような顔つきだったし、まったく一時の酒興の言葉としかしていない。

――だが、そんな空漠な言葉の上よりも、運命は将門をして、思うつぼに、また思う方角へ、彼をとらえている。不死人はそこが恃みだった。

まさか、純友へは、彼が叡山の約などは、一笑に附しているとも、いえないので、

「そいつは、劇的だ。そういう事になれば、すばらしいもんです。将門に会ったら、そういっておきましょう」

と、答えた。

「うム。叡山の約は、おれの恋なんだ。それを実現して、劇的な再会をとげたい。――そうだ。彼も今では、むかしの滝口の小次郎とはちがう。こんど、おぬしが下るついでに、純友からの貢物だといって、ここの妓を四、五人連れて行ってくれ」

「あ。……あの草笛ですか」