Classici giapponesi con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
黙然人
懊悩のまま年は暮れたが、年もあらたまって、承平二年の正月を迎えるとともに、将門は、翻然と考えた。それに似た誓いを独り胸にたたんだ。克己である。馬鹿になろう、馬鹿になろう、である。そして、今にみろ、という目標をたてた。
「これは、気が楽になった」
将門は、自分を、危機から救ったと思った。馬鹿でない自分が、馬鹿みたいになって、その実、孜々と、目的に邁往してゆく。――やがて五年か十年後には、馬鹿馬鹿とばかり思われていた自分が、はっきりと、馬鹿でない実績を見せて、あの叔父共を、見返してやる。
「おもしろい。黙然人になることだ。もう一ぺん、左大臣家の車舎人となったと思えば、なんでもない」
彼は、世間に耳をふさいだ。家人や奴婢が、外から何を聞いて来て告げ口しようと、笑っていることに決めた。
開拓しさえすれば、新たな農田は、無限に獲られた。山林を伐り、沼を埋め、治水に励み、そのとし一年だけでも、豊田郷の面積と農産は、面目を、あらためた。
折ふし、承平二年から三年にかけては、全国的な大飢饉が、日本の緯度を、見舞っていた。
秋には、寒冷がつづき、翌年五月には、杏花の候というのに、各地で降霜を見、その夏にはまた度かさなる颱風の襲来と、洪水の出現だった。