Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

飄客

よし、おれだけは)

おれだけはと、将門は、肚にちかった。

豊田の孤児六人で、あの叔父共を見返してやる為には――と、自分の性情にはない性情を持とうとした。――成ろうと思えば、叔父共以上な無慈悲な悪人に成れないことはないと、思いきめた。

良兼、良正を、筑波に訪ねて、彼が肚にもって帰ったものは、それだった。いや、それと、左の眼の下に、うす黒く残った撲傷の痣であった。

飄客

豊田の館へ、帰った晩。彼は、よろこび迎える家人や奴僕に、一わたり、無事な顔を見せて後、すぐに、

「都の客人とは、どこにおるのか」

と、将頼にたずねた。

咎めている彼の眼つきも覚らず、将頼は、いそいそと、

「もう、四日も泊って、毎日、待ちわびておられます。奥の客殿で」

と、もう先へそこへ走ろうとする。

「待て待て将頼。おれが、面を見とどけてからにしろ。こんな遥かまでおれを訪ねて来る都の知人など、心当りもない。どうも、うさん臭い」

将門は、奥へ行って、廊の間の壁に身を寄せ、そっと、客の人態を、覗いてみた。

――なるほど、見馴れない奴がいる。

しかも、飲んで飲んで飲み飽いたという風に、杯盤や、肴の折敷を、みぎたなく、散らかしたまま、のうのうと、手枕で、横になっているのだった。