Classici giapponesi con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
なお、腹がいえないように、把って、毛野川の流れに、投げ捨てた。
彼につづいて来た十数名の顔は、それを、小気味よしと見るよりも、何か、さっと、血の色をひいたように、口をつぐんだ。殊に、性格のおとなしい三郎将頼は、
「……ア」と、驚きの声すら放って、まっ蒼な顔をした。
「将頼っ」
「はい」
「案じるな。いつかはと、おれは、肚のうちで、いい出す時を待っていたのだ。――ちょうどいい。おれはこれから、叔父共へ、談しに行ってくる」
「な、なんの、お話しにですか」
「知れている。――叔父共が、おれから預かっている広大な土地を、おれに返してもらうのだ。こんな、猫の額みたいな、河原地などの掛合いではない」
「でも。……、ああ兄上。今となって、そう仰っしゃっても」
「だまって見ておれ。将門は、叔父共が、望みどおりに、都へ出て、少しは、育って帰って来た。いちど、石田の大叔父にも、ごあいさつを、したい事もある。かたがた、預けた物を、返してもらうだけの事だ。行って来る。……なに、一人でいい。数日は帰らなくても、心配するな」
歩き出してから、将門は、なお、憂い気な弟や郎党たちを、振りかえって、いいつけた。