Classici giapponesi con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
彼らはもう勝手に将門の股肱であり、郎党であるときめて、野の家には、戻らなかった。将門に臣事すること、先代良持のような礼をとって、
「わが、お館」と尊称した。
もっとも、常陸から凱旋するときに、敵地の馬は、何百頭も曳いて来たし、その馬の背には、財物、食糧など、積めるだけ積んできた。彼らにいわせれば、
「多年、わがお館の先代良持さまの荘園田領を、横どりしていた人間の物だ。これくらいは、年貢としても、取上げてやるのが当りまえだ」
と、いうのである。
野爪の合戦の結果が、やがて四隣にまで聞えわたると、久しく音絶えていた父方や母方の縁類までが、おのおの豊田の一族と名のって、幾組も将門を訪ねて来た。そして口を極めて、
「こうあるのが、当然じゃ。これは、和殿をまもる亡き良持どのの計いであろ」
と、戦捷を祝した。
それら縁類の家族も、またいつか、豊田の館の附近に、門を並べて住み始めた。豊田の郷はもう昔年のさびれた屋並みではなく、商戸も市も繁昌を見せ始め、この地方の小首都らしい殷賑を呈してきた。住民の尊敬もまた、将門の一身にあつまり、いまや良持のありし日がそのまま豊田の館にはめぐり還って来るかに見えた。