Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

「ござんなれ。きょうこそ、将門を生擒りにしろ」

と、反撃してきた。

どうしたのか、この日、将門は、ややもすると、逃げ廻っていた。

「はて。いぶかしい」

「おかしいぞ、兄者人の容子は」

彼の弟たちも、それが、一抹の憂いとなって、充分に、戦えなかった。

――理由は、後になって、分ったことだが、将門は、すでにこの夏頃から、この水郷地方に多い風土病ともいえる“脚気”にかかっていたのである。

この前の、子飼の渡しの合戦でも、何となく、全体がだるく、そして、頭も冴えない心地がしていたのだ。

――殊に、その日は、暗いうちから、沼地の葦や水溜りの多い湿地に半日も浸っていたので、急激に容態が悪くなっていた。いかに、阿修羅になろうと思っても、気も猛くなれないし、第一、操馬が自由にならなかった。

このため、積極的に、ここまで敵を迎え討ちに出陣しながら、彼の軍は、ふたたび、みじめな退却を、余儀なくされた。

「将門の勇猛も、底が見えた。もう彼の腰はくだけているぞ」

良兼は、そう観た。

「きょうこそは、さいごのところまで、豊田を攻めろ。おそらく、夜には、将門の首が、わしの前にすえられるだろう」