Classici giapponesi con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
「そのためでしたか。あんなに、女性がたくさん来ていたのは」と、将頼は、兄の将門の座を振り仰いで、「折角の配慮だったが、しかしそれは無駄であろう。兄上にとっては返らぬ愚痴であっても、悟りの悪い未練と笑われても、桔梗どのでなければ、いけないのだ。たとえ、桔梗どのより美しい女性でも、桔梗どのでなくては駄目なのだ」
「そうでしょうか。はて、そんな男というものがあるだろうか」
「あっても、なくても、兄上は、そういうお人だ。だから、お酔いになると、なお、心の寂しみが、滲み出てくる。その滲みをお顔から酔い消すには、まだまだよほど召上がらなければ……」
すると、さっきから、黙々と、杯をかさねていた藤原不死人が、
「やあ、はなしが、ちと理になった。第一、この辺の座がいけない。われらからして、浮かねばいかん。御舎弟方も、まじまじと、畏まっておられずに、すこしお過ごしあれ、お過ごしあれ」
と、妓たちをさし招いて、杯を、改めさせた。
ここばかりではない。歓声酔語は、あちこちに沸騰している。酒気は、満堂に漲り、誰の顔にも、すぐ燃えそうな脂がてかてかし出した。羯鼓を打つ、笛を吹く、鉢をたたきちらす。