Classici giapponesi con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Leggi 平の将門 (たいらのまさかど) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.193 caratteri · 463 schermate
よい年をしおって」
「あっ、なんぞ、お心にそいませぬか」
「おどけ者よ、爺は。なんぼ、客のあとかたづけに忙しかろうと、あれ程、かたくいいつけた事、なぜおろそかにいたしよった」
亡兄の藤原時平も、著名な大声で、よく殿上の論争にも、菅原道真という文人肌の政客を、その声できめつけたという話をのこしているが、その弟の忠平も、豊満な肉体の持ち主ではあり、ことし三十八歳という壮年でもあるせいか、兄に負けない喚きを時々やるのであった。
「お叱りついでに、まいちど、仰せ下さりませ。爺め、やはり幾ぶん、年老りましたものか、今日のような忙しさにあいますると、つい、ふと、もの忘れなど仕りまして」
「東国の餓鬼のことじゃよ。国香の書状を持って来たとかいう童じゃよ。まだ、わからぬか」
「は、はい。その小冠者を、どうせいと、おさしずでござりましたやら」
「ええい、やくたいもない耄碌をば。……わしがいったのは、供も連れず、たったひとりで、国香が旅へ追いやった童。どうせ、ろくな者であるはずはない。――それによ、何よりの注意は、長い遠国からの道中、どんな穢れに触れたやら為体も知れん。いやいや、現に、昨夜は、獄舎に寝、きょうは門前まで、不浄者の放免などに、送られて来たと、われ自身、告げよったことではないか。