Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate

Aozora Bunko

「あっ!」

と、猟師が鹿の足を踏んだような驚きをして飛び退きました。

「何者だッ?」

金吾は伏せ身になって白眼を射向け、万太郎は素早く立ってその人形の横を挾む。

ギョッとしたらしい相手の影は、咄嗟なことに逃げ道を失って、樹幹をタテに身を隠しながら、屹と、一方の手は刀の柄に行っている。

おお、その手の白いこと! 夜目にも綺麗な手をしている! そしてその手は抜き打ちの閃光を吹かんとして、刀の柄にかかっている。

(違いない、いつぞや会った優形の男だ!)

凝視をもって両方からはさみ撃ちに迫った万太郎主従は、彼の黒頭巾が隠している星のような二つの瞳と、その仄白い顔容と、その黒い曲線とで、すぐにも思い当ったでしょう。

いつか、赤壁渓の小道で見かけて、たたみ上げた野州石の上に身を隠し、主従して這い松の蔭からのぞき下ろした時、ふと、上と下で、顔を見合せるなり風の如く去ッた覆面の白い顔はこの男に違いありません。

また、その前後、二、三度影を見かけた肩幅の広い覆面も、二人には常から解けない疑問でありましたが、計らずも、重ねてここで打つかッたのは、願ってもない僥倖です。

「金吾、逃がすな」