Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいじょうのみち

海上の道

柳田 国男

Leggi 海上の道 (かいじょうのみち) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 182.344 caratteri · 353 schermate

Aozora Bunko

四

みちの口、

武生のこふ(国府)に我ありと、

親には申したべ心あひの風、

さきんだちや

かつてこの都会が東西交通の衝であった時代に、遠くこの風の風下の方から、さすらえて来たと称する女たちが、しばしばこういう歌を唱えて旅人の哀れみを誘おうとしたので、是と同巧異曲の「泣いて暮すというておくれ」という類の文句は、近くは明治の始めまでなお続いていた。

四

「心あひの風」はいわゆる掛け言葉で、風を孤独の身の友と呼びかけたのであろうが、もうあの頃から発音は今と同じであった。是を海上生活の最も大切な問題として、遊女は歌にうたい、船人は淋しい日にそれを憶い起したので、遠い万葉の昔から、この一語の流伝は絶えなかったのである。近代の港の中にも、幾つかそういうものが残り伝わっている。

アイのこは吹きやヤマセのもとだ、

ヤマセや別れの種となる

思う船が入ってしまえば、アイの風はもう問題でない。それよりもその風が強く吹きつづけると、やがて転じて別れの風になるのが気づかいなというので、是は多分蝦夷地での流行唄であろう。北陸方面では、ダシというのがヤマセに近い風であった。谷の奥から吹き出すという意味であったろうが、後には風待ちの船を出してしまうからダシだと、思うようになっていた。